自民党派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法改正をめぐり、党政治刷新本部座長を務める鈴木馨祐氏は12日のNHK討論番組で、「自民党の力をそぎたいという政局的な話がごっちゃになっている」と発言した。政治改革に後ろ向きな自民の姿勢を問題視する野党側を牽制(けんせい)したもので、野党が反論する場面があった。

 討論番組には、与野党各党の政治改革の実務者である衆院議員が出席。野党側は、自民、公明両党が合意した法改正案の内容が不十分として、「抜け道が多く、法改正しても現状と変わらない」(立憲民主党・落合貴之氏)、「やっている感の演出」(日本維新の会・青柳仁士氏)などと批判した。

 これに対し、自民の鈴木氏は「今の各党の話でも、再発防止の話と、自民党の力をそぎたいという政局的な話がごっちゃになっているのは正直ある」と発言。企業・団体献金や政治資金パーティーの廃止など、抜本的な改革を目指す野党各党案の狙いが、「政局」にあるとの主張を展開した。

 これには野党側が猛反発した。維新の青柳氏は「少なくとも維新は考えていないし、他の野党もほとんど考えていないと思う」と反論。「訳のわからないプロパガンダでごまかそうという姿勢はよくない」としたうえで、「法律を守れなかった自民のモラルの低さが問題で、政治とカネの汚い関係性を一掃することが国民の期待だ」と指摘した。

 また、れいわ新選組の大石晃子氏は、「いかに反省していないかという話だ」と鈴木氏の発言を問題視。そのうえで「力の源泉は汚い金、裏金。そのような力をそがなくてはいけないのは当たり前の話だ」と批判した。

公明は野党との協議重視の姿勢 立憲「公明はこっちに来た方がいい」
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朝日新聞 2024年5月12日 14時05分
https://www.asahi.com/articles/ASS5D1D63S5DUTFK001M.html