日本工作機械工業会(東京・港)は11日、3月の工作機械受注額(速報値)が前年同月比22.6%増の1424億9200万円だったと発表した。景気減速で不振が続いてきた中国の需要回復などで輸出が39.1%増と好調が続き、過去3番目の高水準となった。前年実績は4カ月連続で上回った。

 好不況の目安とされる1000億円は5カ月連続で上回った。輸出は39.1%増の903億2200万円。景気減速で不振が続いていた中国では「自動車や家電向けなどの需要が増えている」(オークマ)。そこに米アップルの新型スマートフォン向けとみられる需要が上乗せされ、好況となっている模様だ。

 米トランプ政権が1兆ドルのインフラ投資方針を表明している。「自動車部品関係の引き合いは多いが、エネルギーや建機関連の大型機商談は停滞気味」(OKK)と言い、政策の実現性を巡って様子見が続いているようだ。

 受注総額のうち国内は1.8%増の521億7000万円だった。自動車や半導体関係の需要が堅調との声が多い。

 同工業会は「今後もしばらくは前年超えが続くのではないか」として、工作機械の受注環境は回復基調に入っているとの見方を示す。

 今回の受注額は過去最高の15年3月(1474億円)、14年12月(1442億円)に次いで過去3番目に高い水準だという。(増田有莉)

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ11HHD_R10C17A4000000/