ベトナムの首都ハノイ郊外の農村の住民が、地元政府による土地収用の手法に反発して警察官を監禁していた事件で、22日に警察官全員が解放された。15日に土地収用に反対した4人が逮捕されたのをきっかけに住民の怒りが頂点に達し、19日夜の時点でも21人が監禁されていたが、解決の方向に向かうことになった。

 問題の土地は、ハノイ市ミードゥック郡ドンタム村の約50ヘクタール。郡当局が「軍用地」だと主張し、携帯通信大手・ベトナム軍隊通信グループ(ベトテル)の事業に使うことを決定。一方で、この土地を畑として活用してきた住民が「少なくとも1950年代から農業を続けてきた」と反発し、

地元政府側の警備に当たった警官らを村内の施設に監禁する事態になっていた。

 現地報道によると、22日はハノイ市のグエン・ドク・チュン市長がドンタム村を訪問。住民らとの約3時間の話し合いの末、「土地利用の権利と、村民が逮捕された件について調査する」と約束し、警官らの解放に至った。チュン市長はさらに、監禁について住民の刑事責任は問わないと述べた。(ホーチミン=鈴木暁子)

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