「早晩、消滅するだろう」…六代目山口組系幹部が語る“第三の山口組”の行く末
神戸山口組がまさかの分裂
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日刊SPA!2017.05.05
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 GW直前に、またしても日本の極道社会が大揺れとなった。2015年8月27日に分裂して以降、割って出た側の神戸山口組の“武のシンボル”として矢面に立っていた織田絆誠氏が謀反を起こし、4月30日に「任侠団体山口組」を結成。この“第三の山口組”は兵庫県尼崎市内にある古川組本部で記者会見まで開いたのである。

 会見には織田氏は出席せず、本部長に就いた池田幸治氏が結成の経緯と趣旨を説明。神戸山口組の金銭吸い上げシステムが厳しいこと、人事面で一部団体が優遇されていること、また下からの進言を聞き入れず、「六代目山口組以下の悪政」が横行している現状を痛烈に訴えた。

「織田氏といえば、六代目との分裂当時、全国各地で組員を引き連れて示威行為を行ったり、神戸山口組を代表して六代目山口組幹部と“再統合”の下交渉を行うなど、対外折衝を全面的に任されたキーマンだったはず。そんな彼が神戸を出たばかりか、後ろ足で砂をかけるような言動をすることに、取材を続けている我々も理解が追い付かない」(実話誌記者)

 よって、この一件を巡っては熾烈な情報戦が乱れ飛んだ。

「当初、囁かれたのは偽装絶縁説です。いわゆる“指定逃れ”のための分裂で、織田一派は井上邦雄・神戸山口組組長に累が及ばないような形にするため新団体を設立。これから本格的に六代目山口組と武力衝突していく、とする見方です。しかし、ほどなくすると織田一派と神戸山口組サイドに金銭トラブルが起きていたとする情報が流されるようになった。任侠山口組幹部が神戸の友好団体から7000万円借りているとか、織田氏そのものが六代目山口組からカネを渡され寝返ったとか……その額は5億とも10億とも言われていますが、真相は定かではありません」(同前)

 六代目山口組の二次団体で幹部を預かるX氏は、これまで織田氏を痛烈に批判してきた1人だ。その彼は、今回の動きをどう見るのか。

「織田がやってることは現状ではデタラメで、まるで漫画です。ヤクザでもなんでもありません。ハッキリ言っておきますが、竹内(照明・三代目弘道会会長)のオジキや高木(康男・清水一家総長)のオジキから織田に金銭なんて100円ぽっちも渡っているわけがない。新団体は盃なし、と言ってるようですが、これじゃ体を賭ける人間だってでやしない。早晩、消滅するでしょう」

 「任侠山口組」に存在意義はない、と断じた上で、X氏はある“原則論”をかざす。内容は、かねてから六代目山口組が主張してきたことだ。

「六代目山口組執行部の姿勢は変わっていません。あの夏、組を割って出た13人の謀反者と、後に総本部から通達が出た処分者以外は、六代目山口組としては責任を問わない。これは、誰にとっても例外ではありません。

 ただ、織田の主張で1つだけ、信じてやりたい部分があった。『山口組を良くする』、この一点です。やれるものなら、こちらでやってみたらいい。それをきちんと実現できたら、感動する若者もいるのではないか」

 とはいえ、一度割って出た人間が戻っても普通、居場所はないと考えるのが自然ではないか。X氏にその点を訪ねると、こう答えた。

「彼は雑誌のインタビューでもずいぶんな口をきいてましたからね(笑)。ただ、執行部のある方はこう言ってました。『六代目山口組はこの一年数ヶ月で多くの事を勉強させてもらった。山口組は百年に渡る歴史があり、山菱の下、すべての者が兄弟家族であり、神戸山口組を名乗る人達は自らの若者を山口組という家に帰すことが、親としての責任ではないか』と。それに、戻ってうまくいくかどうかは、結局本人の努力次第。事実、うちの執行部には、過去に山口組を内部分裂により、盃を受けた親に従って一度は組を出た人間も、今も要職に就いています。それが山口組百年の歴史なんです。わかりますか? 本人次第なんですよ」

 二度の謀反を経て誕生した「任侠山口組」は、果たしてどんな道を辿るのかーー当分、目が離せない展開が待っていることは確かだ。

取材・文/日刊SPA!編集部

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