三越伊勢丹ホールディングスの杉江俊彦社長(56)は23日、読売新聞のインタビューに応じ、海外での百貨店の新規出店計画を凍結する考えを示した。

 業績の立て直しに向け、地方・郊外店も含む国内百貨店事業に注力する方針だ。

 三越伊勢丹は東南アジアでの新規出店を一時検討していたが、杉江氏は「出店は当面ない」と述べた。大西洋・前社長のもとで進めていた東京・新宿の大型免税店の出店計画についても「実現は厳しい」として、事実上棚上げする考えを示した。

 コスト削減については、早期退職制度を拡充する。傘下の事業会社、三越伊勢丹は社員約5400人の半数近くを管理職が占めており、今年中に早期退職者への退職金を積み増して人員削減につなげる。

 不振が続く地方・郊外店については、各店舗の具体的な再建策を11月にも打ち出す方針だ。業績が改善しない場合、「閉鎖しなければならない店舗もある」との認識を示した。

http://sp.yomiuri.co.jp/economy/20170524-OYT1T50013.html