(指定鯨類科学調査法人)
第七条
農林水産大臣は、一般社団法人又は一般財団法人であって、次項に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、
その申請により、指定鯨類科学調査法人として指定することができる。
2 指定鯨類科学調査法人は、鯨類科学調査を実施すること(次条第一項に規定する協力をすることを含む。)を業務とする。
3 指定鯨類科学調査法人は、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣に、鯨類科学調査の実施の状況を報告し、
鯨類科学調査が終了したときは、遅滞なくその結果を報告しなければならない。
4 農林水産大臣は、指定鯨類科学調査法人が第二項に規定する業務を適正かつ確実に実施していないと認めるときは、
指定鯨類科学調査法人に対し、その業務の運営の改善に関し必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
5 農林水産大臣は、指定鯨類科学調査法人が前項の規定による命令に違反したときは、その指定を取り消すことができる。
6 第一項の指定の手続その他指定鯨類科学調査法人に関し必要な事項は、農林水産省令で定める。

(指定鯨類科学調査法人以外の者による鯨類科学調査の実施)
第八条
農林水産大臣は、指定鯨類科学調査法人のほか、農林水産省令で定めるところにより、試験研究のための鯨類の捕獲を適正かつ確実に行うことができる能力を有しており、
かつ、当該試験研究について指定鯨類科学調査法人の協力を得ていると認められる者を、その同意を得て、期間を限り、鯨類科学調査を実施する主体とすることができる。
2 前項に規定する者が、同項の規定により鯨類科学調査を実施する場合においては、農林水産省令で定めるところにより、
その実施する鯨類科学調査の実施の状況を報告し、当該鯨類科学調査が終了したときは、遅滞なくその結果を報告しなければならない。
この場合においては、前条第三項の規定は、適用しない。

(補助)
第九条
政府は、調査実施主体(指定鯨類科学調査法人及び前条第一項の規定により鯨類科学調査を実施する主体とされた者をいう。
第十一条において同じ。)に対し、予算の範囲内において、鯨類科学調査の実施に要する費用の一部を補助するものとする。

(鯨類科学調査の実施体制の整備)
第十条
政府は、鯨類科学調査を安定的かつ継続的に実施するため、鯨類に関する科学的な調査研究を行う人材の養成及び確保、
鯨類科学調査の実施のための船舶及びその乗組員の確保その他鯨類科学調査の実施体制の整備に必要な措置を講ずるものとする。

(妨害行為への対応等のための調査実施主体に対する支援)
第十一条
政府は、調査実施主体が、妨害行為を防止し若しくは妨害行為に対応するために必要な船舶、設備若しくは装備を備え、
又は船舶の乗組員その他の関係者に妨害行為を防止し若しくは妨害行為に対応するために必要な知識及び技能の習得若しくは向上のための訓練を行うため、必要な情報の提供、助言その他の必要な支援を行うものとする。

(妨害行為への対応等のための政府職員の派遣等)
第十二条
政府は、妨害行為の防止又は妨害行為への対応のため、必要に応じ、水産庁の職員その他その職務に従事する政府職員
(以下この条及び次条第一項において単に「政府職員」という。)又は政府職員が乗り組む船舶を鯨類科学調査の実施に係る海域その他の場所に派遣し、
当該政府職員に法令の規定に基づき必要な措置を講じさせるものとする。