東日本大震災で両親を亡くしたおい(15)の災害弔慰金や震災義援金といった財産を未成年後見人の立場を悪用して着服したなどとして、業務上横領罪などに問われた叔父で無職の島吉宏被告(42)=宮城県石巻市=の控訴審の判決公判が27日、仙台高裁で開かれ、懲役6年とした1審仙台地裁判決を支持、被告側の控訴を棄却した。

 嶋原文雄裁判長は「被告に違法との認識がなかった」との被告側の主張を、「財産がおいに属することは明確で、自分のために使えると誤解する事情はない」と退け、「震災の混乱に乗じて行われた点も看過できず、1審判決の量刑は相当だ」と断じた。

 高裁判決によると、島被告は平成23年4月〜26年11月、義援金や寄付金、両親の死亡共済金などが入ったおいの銀行口座から現金を引き出したり、自らの口座に送金したりして計約6680万円を横領。また、おいの母親(自らの姉)が震災で死亡したのに、石巻市内で入院中と偽って銀行で姉名義の預金通帳を再発行。約120万円をだまし取った。

2017.6.28 10:40 産経新聞
http://www.sankei.com/smp/affairs/news/170628/afr1706280012-s1.html