英語民間試験へ移行期間4年 大学入試新テスト最終案
2017/7/10 14:00
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG10H36_Q7A710C1000000/

 文部科学省は10日、大学入試センター試験に代わり2020年度に導入する新テスト「大学入学共通テスト」について、実施方針の最終案を同省の有識者会議に示した。民間の資格・検定試験に移行する英語では、23年度まで現行のマークシート式を併存させる案を採用。大学は両方もしくは一方を入試に活用する。近く実施方針を定め、詳細な制度設計に移る。

 最終案は同日午後に開いた新テストの検討会議で提示した。

 それによると、共通テストの受験対象者は現在の中学3年以下。21年1月中旬に初回を行う。国語と数学には記述式問題を新たに導入。国語は最大80〜120字程度、数学は解法を問う問題など、各3問程度を出題する。

 英語は現行の「読む・聞く」に「話す・書く」を加えた4技能を評価するため、実用技能英語検定(英検)やTOEICなどの民間試験を活用する。文科省は5月に示した実施方針案で、マーク式を廃止して20年度に民間試験に全面移行するA案と、23年度まで併存させるB案を示した。

 これに対し、高校、大学関係者から準備期間の短さを懸念する声などがあがり、民間試験とマーク式が4年間併存する「移行期間」を設けることにした。

 様々な民間試験のうち、学習指導要領との整合性や実施状況などの水準を満たしたものを文科省が認定する。受験生は高3の4〜12月に最大2回受験でき、結果は点数と、語学力の国際規格に基づく段階別の成績として大学に提供する。

 最終案では、受験生の居住地域や家庭の経済力で受験機会が左右されにくいよう、試験の実施団体に「検定料の負担軽減方策などを講じることを求める」と明記。大学に対しても「(受験生の)負担に配慮し、できるだけ多くの種類の認定試験を活用するよう求める」とした。

 文科省は17年11月、18年12月にプレテストを実施。共通テストの問題内容や受験料、実施体制などを検討し、19年度中に実施大綱を定める。