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2017/07/11 Peter Sayer IDG News Service
 米国、英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの5カ国は、情報収集活動に関して、「Five Eyes」という同盟を結んでいる。そのFive Eyesが、世界の人々に対するスパイ行為をしやすくするための対応をインターネット企業に求めた。これに対し、プライバシー擁護団体らは、暗号を弱体化することに懸念を表明する書簡を関係閣僚に送付。さらに、その中の1つの団体が、Five Eyesの協定の内容を明らかにするよう求める訴訟を、米国の裁判所に起こした。


Credit: Peter Sayer
 Five Eyesは、同盟の結成から71年になる。この間に世の中は大きく変化した。情報傍受の対象となる人々は、電話で会話するだけではない。スマートフォンや検索エンジン、電子メールも利用するし、フィットネストラッカーから上がるデータもある。諜報機関が得られるデータは豊富だ。

 だが、データ暗号化技術の利用が広がっていることから、諜報機関としては、衛星通信や海底通信ケーブルで伝送されるデータの傍受が難しくなっている。そこで、2017年6月下旬にカナダで会合を開いたFive Eyesの5カ国の代表者は、テロリストや犯罪者が通信の隠匿に利用している暗号化の無効化を目指す政府機関の活動に協力するよう、ISP(インターネット・サービス・プロバイダー)や機器メーカーに要求した。

 この動きを受けて、市民的自由を擁護する83の団体らは、2017年6月30日、Five Eyes参加を所管とする閣僚5人に宛てて書簡を送った。通信システムのセキュリティの弱体化ではなく強化を訴える内容の書簡だ。

 「テクノロジーとしての暗号化は、害より利益の方がはるかに大きい」と書簡にはある。

 だが、この書簡に名を連ねた団体のうち、英プライバシー擁護団体Privacy Internationalは、暗号化に余計な手出しをしないよう書面で主張するだけでは収まらなかった。

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