5月に日本を含む約150カ国に広がったランサムウェア(身代金ウイルス)「WannaCry(ワナクライ)」によるサイバー攻撃の際、ウイルスの拡散を止める方法を発見して一躍有名になったセキュリティー研究者が2日、別のウイルスの拡散に関与した疑いで逮捕された。

 米ウィスコンシン州の米連邦検察局などによると、逮捕されたのは英国籍のセキュリティー研究者マーカス・ハッチンズ氏。2014年ごろから広がっていた、銀行口座の情報を盗み出すウイルスの開発や拡散などに関わった疑いがあるという。

 ハッチンズ氏は20代前半で、独学でプログラミングを習得。米マイクロソフト(MS)の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」を標的にした世界規模のサイバー攻撃が起きた際、ウイルスの拡散を止める方法を明らかにして「時の人」となった。7月下旬から米ラスベガスで開かれていた世界的なハッカーや情報セキュリティー関係のイベントに参加し、帰国するところで身柄を拘束されたという。(サンフランシスコ=宮地ゆう)

2017年8月4日13時12分
http://www.asahi.com/articles/ASK8425YSK84UHBI002.html