トランプ米大統領は2日、グリーンカード(永住権)の発行を半減させ、合法の移民を減らす法案への支持を表明した。法案には与党・共和党内にも反対があり可決は見通せないが、「移民大国」米国の理念に反するなどとして波紋が広がっている。

 この日法案を提案したのは、共和党のコットン、パーデュー両上院議員。法案では、高い技能を持つ移民を優先的に受け入れるため、教育水準、英語の能力、年齢などに基づきポイントを付与し、ポイントが高い移民を優先に受け入れる方針を示した。米国民の親族への永住権付与も未成年や配偶者に絞り、年間100万人に発行しているグリーンカードを10年間で半減させる。年間約5万人を対象にしたグリーンカードの抽選もやめ、難民への永住権付与を5万人を上限とする。

 法案には低賃金で働く移民を減らすことで、米国民の雇用などを増やそうとの狙いがある。

 トランプ氏は、ホワイトハウスで両議員と並んで報道陣の前に現れ、「過去半世紀で最も大きな移民制度改革になる」と訴えた。米政府によると、今回の措置はカナダや豪州の制度を参考にしたという。

 だが、今回の措置は、多様性を重視し、移民に寛容な米国の制度を根本的に変えることにつながりかねない。移民を制限すれば経済成長に悪影響が出るとの見方も多く、与党・共和党の重鎮、グラム上院議員は「法案が成立すれば、移民の労働力に頼る我々の経済は打撃を受ける」と警告した。

 この日のホワイトハウスの記者…

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