【ジュネーブ=笹沢教一】サンフランシスコ講和条約の締結など戦後日本の針路を決める重要な政策決定を行った吉田茂元首相(1878〜1967年)が1965〜67年に連続でノーベル賞候補に推薦され、65年には最終審査の対象となるリストに入っていたことが、ノルウェー・ノーベル研究所(オスロ)への情報公開請求でわかった。

ノーベル賞の選考過程については、ノーベル財団規約で「50年間は非公開」と規定され、平和賞は、研究者やジャーナリストに解禁後の情報公開を認めている。

読売新聞が入手した資料によると、65年には、当時の首相で74年に平和賞を受賞する佐藤栄作や当時の外相の椎名悦三郎ら日本の4人が推薦人に名を連ねた推薦状が、平和賞の選考を行うノルウェー・ノーベル委員会に送られた。

推薦理由は「戦後処理を通じたアジアと世界の平和と繁栄への貢献」。日本政府の働きかけで、ディーン・アチソン元米国務長官、コンラート・アデナウアー元西独首相からも推薦があった。平和賞は、閣僚や国会議員、著名有識者、過去の平和賞受賞者などに推薦資格がある。

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配信2017年08月17日 07時23分
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