お風呂に入りながら、客同士が先生と生徒になって「授業」をする。名づけて「はだかの学校」が、東京都内の銭湯で開かれている。様々な人たちが肩ひじ張らずに経験を語り合うことで、銭湯を学びの場にしようという試みだ。遠のいた客足を取り戻す効果も出ている。

7月末、東京都台東区にある「日の出湯」。腰にタオルを巻いた客7人が、浴槽のふちに腰かけて足をつけていた。そばには、場違いなホワイトボード。

 「理想の就職と採用って何だろう?」

常連客で、就職コンサルティング会社会長の佐藤孝治さん(45)が、企業と学生のミスマッチについて語る。約15分間の「授業」が終わるころ、みんな汗びっしょりになった。

佐藤さんは「お互い裸だから、堅苦しくならなくてやりやすい。すごく楽しかった」。輪に加わった大学院生の男性も「先生との間に生じやすい力関係はなく、対話型で聞きやすかった」と話した。

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