秋田市で平成24年、乗用車にはねられ死亡した中学3年、渡辺里乃さん=当時(15)=の母親が、運転手の男性(46)に損害賠償を求めた訴訟で、秋田地裁は25日、遺族側勝訴の判決を言い渡した。「被害者は赤信号の横断歩道を渡っていた」との警察の捜査結果に基づき、男性は賠償減額を求めたが、判決は青信号だったと判断し退けた。

 斉藤顕裁判長は「男性の車の反対車線には走行車両がなく、車両用の信号が赤だったことをうかがわせる。中3の被害者が、赤信号で車の多い国道を横断する事情もない」と指摘。里乃さんに落ち度はなかったとして、遺族側のほぼ請求通り、男性に約4500万円の賠償を命じた。

 判決は「男性は制限速度が時速50キロだったのに、車の加速力を楽しみたいと80〜90キロで走行していた」と認定した。

 警察の捜査は誤っていると訴え続けてきた母、潤子さん(45)は取材に「真実を明らかにするという約束を果たせた。警察は人の命を守る立場だということを考えてほしい」と話した。

配信2017.9.26 10:33更新
産経ニュース
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