【ニューヨーク=清水石珠実】米有力経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が紙媒体の「アジア版」「欧州版」の発行をやめることが分かった。WSJ(電子版)が28日報じた。紙媒体の広告収入が大幅に縮小するなか、読者を増やしている電子版に経営資源を集約することで経営の効率化を図る。

 欧州版は29日付が最後の発行になるという。アジア版の最終発行日は10月以降になる見通し。欧州版とアジア版の代わりに、今後は東京などの一部の都市では米国版を販売する計画という。

 アジア版は1976年、欧州版は1983年に発刊された。該当地域で紙媒体専属で印刷などに関わっていた社員は配置換えになる予定。記者など支局員は電子版など別のWSJ媒体のコンテンツ製作にあたるため特に変更はない。

 WSJは新聞・出版大手ニューズ・コーポレーション傘下の新聞。

配信2017/9/29 6:40
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGN29H0H_Z20C17A9000000/