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10月19日 7時10分

国連のグテーレス事務総長は18日、PKO=平和維持活動の部隊が相次いで襲撃されている中央アフリカ共和国について、ことしに入って100万人以上の住民が国内外で避難することを強いられていると指摘し、国際社会に支援を呼びかけました。

国連のグテーレス事務総長は18日、ニューヨークの国連本部で記者会見を開き、1万3000人近いPKO部隊が活動している中央アフリカについて、ことしに入って国内でおよそ60万人、周辺国に50万人の住民が、武装勢力どうしの戦闘を避けて避難していると指摘しました。

そして来週、現地を訪問すると発表し、「私の訪問にはメディアが関心を示していないこの国のぜい弱な状況に目を向けてもらう目的もある」と述べて、「忘れられた紛争」とも呼ばれる中央アフリカの状況を改善するため、国際社会に対して支援の拡充を呼びかけました。

さらにグテーレス事務総長は、ことしに入って中央アフリカで12人のPKO隊員が武装勢力に殺害されたとして、PKO要員を増やすよう国連の安全保障理事会に要請したことを明らかにしました。

PKOについては、アメリカのトランプ政権が非効率でむだが多いと批判したことを受けて、国連は各国で部隊の見直しを進めています。

グテーレス事務総長は中央アフリカでのPKOの拡充について、「今回の増員は市民を守るために必要だ。アメリカを含む加盟国から理解を得られると確信している」と述べ、期待を示しました。