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12月2日 17時42分

福島第一原発の事故で被害を受けた人たちへの賠償について考えるシンポジウムが東京で開かれ、国の指針に基づいて支払われている賠償の額と集団訴訟で認定された額が食い違っていることから、「指針を見直す必要がある」という意見が出されました。

原発事故のあと、東京電力は国の指針に基づいて、被害を受けた人たちに慰謝料などを支払っていますが、各地で起こされている集団訴訟で裁判所が認定した額との間に食い違いが出ています。

日弁連=日本弁護士連合会は、こうした状況について考えるシンポジウムを東京・千代田区で開き、賠償の問題に詳しい立命館大学の吉村良一教授は「集団訴訟ではふるさとを失ったことへの慰謝料が上積みされたり、国の指針では慰謝料の対象外となった地域の住民への支払いが命じられたりしている」と説明しました。

そのうえで、「指針を超えるような賠償を認める判決が積み重なってきたこの段階で、指針や救済の仕組みを見直す必要がある」と指摘しました。

日本弁護士連合会の小野寺友宏副会長は「シンポジウムをきっかけに、改めて原発事故の被害者の救済について議論が深まっていくことを期待したい」と話していました。