https://www.nikkei.com/content/pic/20171220/96958A9F889DE0E6EAE4E0E5E0E2E0E2E3E0E0E2E3E59797EAE2E2E2-DSXMZO2487177020122017EE8001-PN1-1.jpg

財務省が固めた2018年度予算案で、歳出を借金でどのくらい賄っているかを示す国債依存度が17年度当初予算から0.8ポイント低下し34.5%に改善する見通しだ。11年ぶりの低水準となり、リーマン・ショック前の水準を回復する。依存度は低下が続いているとはいえ、水準が高い状況に変わりはない。他の先進国からは大きく水をあけられたままだ。

 国債依存度は国債の新規発行額を歳出で割って算出する。18年度予算案の国債発行額は前年度に比べて6800億円程度減り33兆6900億円程度になる見通し。歳出は2600億円増の97兆7100億円前後を見込む。国債発行額の減少が大きく、依存度は2年連続で低下する見通しだ。

 リーマン・ショック後の09年度には初めて50%を超え51.5%を記録したが、その後は緩やかな景気回復を背景に税収が増加。18年度には国債の新規発行額も2年連続で減少する見通しだ。18年度の税収もバブル期以来の水準になる2.4%増の59兆800億円前後を見込んでおり、依存度を押し下げる要因になる。

 ただ海外と比べると日本の依存度は際だって高い。17年度の数値を見ると、米国は10.8%、英国は4.4%、ドイツは2%。比較的高いフランスでも23.5%だ。日本もバブル期の1990年度に9.2%まで低下したが、その後の景気低迷から上昇が続き、先進国でも最悪の水準にある。

 企業のグローバル展開が進み、海外子会社で収益をあげても日本の法人税収には反映されにくくなっている。人口減で税収は構造的に増えにくい状況になっており、税収頼みの財政には限界がある。社会保障費が増加するなかで、歳出の抑制も大きな課題になる。

配信2017/12/20 19:29
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24862720Q7A221C1EE8000/?n_cid=DSTPCS001