スパコン開発会社社長を詐欺罪で起訴 東京地検特捜部
2017.12.25 15:41 産経ニュース
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スパコン性能ランキングの表彰状を背にする斉藤元章被告=7月、東京都千代田区
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スーパーコンピューターの開発を手掛けるベンチャー企業をめぐる国の助成金不正受給事件で、東京地検特捜部は25日、詐欺の罪で「PEZY(ペジー)
Computing(コンピューティング)」(東京都千代田区)社長の斉藤元章容疑者(49)と元事業開発部長の鈴木大介容疑者(47)を起訴した。

起訴状によると、斉藤被告らはメモリーデバイスの開発に絡み、経済産業省が所管する新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からベンチャー企業の開発への助成金をだまし取ろうと計画。平成26年2〜3月、事業に約7億7300万円の費用がかかったと水増しした実績報告書を作成し、約4億3100万円をだまし取ったとしている。

関係者によると、斉藤被告は特捜部の調べに対し、「別の研究開発に充てるため資金が必要だった」と説明し、NEDOに提出された書類の作成に関わっていた鈴木被告も「社長(斉藤被告)の指示でやった」と話しているという。

NEDOによると、ペジー社は22〜29年度、今回のメモリーデバイスを含め5事業でNEDOから助成金を得ており、総額は計約35億2400万円に上る。

斉藤被告が経営に携わるスパコン関連会社にはこれまで国から計約100億円の公的資金の投入が認められていた。斉藤被告は別の助成金も詐取していた疑いがあり、特捜部は不正受給の全容解明を進める方針。