除夜の鐘を突く人たち(大信寺提供)
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大みそかの深夜に突く「除夜の鐘」を、半日前倒しして昼間にする動きが群馬県内の寺院で相次いでいる。深夜の外出が難しい子どもやお年寄りにも伝統行事の鐘を体験し、楽しんでもらうのが狙いだ。一方、住職が深夜に長時間、鐘突きの対応をするのは体力的に厳しく、負担軽減を図りたいとの思いもある。

 常仙寺(高崎市金古町)は今年から名称を「納めの鐘」と変え、正午から突く。寺を訪れる年配者から、夜遅くに出掛けるのが難しくなったという声が届いたのがきっかけという。佐藤達全住職は「子どもにも鐘を体験させ、一年を振り返る機会にしてもらいたい」と話す。

 金蔵院(前橋市堀越町)は寺の世話人からの提案を受け、鐘の時間を深夜帯から午後1時〜2時半に移す。遠藤栄寿住職は「昼間にすることで小さな子どもも参加しやすくなる」と長所を強調する。

 大信寺(邑楽町篠塚)は昼と夜の2部制にする。計108回の鐘を分けて午後1時から54回、午後11時から54回鳴らす。岡田真幸住職は「自分自身が年齢を重ね、深夜に長時間鐘突きをするのがつらくなってきた」と打ち明ける。

 「昼間の除夜の鐘」は、県内では宝徳寺(桐生市川内町)が2015年に始めた。全国的にも静岡、三重、京都などで広がっている。同寺は都内からの団体客が訪れるなど人気が高まり、今年は開始を午前10時に繰り上げる予定だ。

配信2017/12/30
上毛新聞
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