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 政府の平成30年度予算案に、北陸新幹線の敦賀(福井県)−新大阪間の詳細なルートや駅の位置などを決めるための調査費11億円が盛り込まれた。前年度と同額の予算が計上され、関西の交通インフラ強化に期待がかかるものの、沿線自治体や経済界からは、2046年春と想定される大阪までの全線開業の前倒しを訴える声があがっている。関西の経済界などは政府に早期の全線開業を働きかけていく考えだが、分厚い財源の壁が立ちはだかり、実現への道のりは険しい。(橋本亮)

 ■現計画はメリットなし

 「あまりにも遅い」

 予算案の閣議決定から4日後の昨年12月26日、松井一郎大阪府知事と吉村洋文大阪市長、関西財界のトップが大阪市内で集まり、成長戦略をテーマに意見交換する会合が開かれていた。その席上、経済界から北陸新幹線の全線開業前倒しを求める意見があがった。

 平成30年度予算案で計上された整備新幹線の建設費は、地方負担などを含めた事業費ベースで29年度当初予算比850億円増の3480億円。2023年春ごろ開業予定の金沢−敦賀間に910億円増の2250億円が配分される。

 敦賀以西をめぐっては与党が昨年3月、敦賀から福井・小浜を通り、京都府南部の新駅を経て新大阪に至るルートを正式決定した。

 だが、新幹線の建設財源は既に建設中の区間に優先して充てられるため、現時点では北海道新幹線の札幌延伸が完了する30年度末まで、北陸新幹線の敦賀以西の整備に振り向ける財源はなく、31年に着工し、46年に全線開業の見通しとなる。平成30年度予算案にはルートの詳細を決めるための調査費が計上されているだけ。敦賀以西の着工と全線開業を早めるには新たな財源が必要となる。

 ■リニア以降に懸念

 JR東海が計画するリニア中央新幹線の大阪延伸は最大8年の前倒しで2037年。約20年も先だけに、関西の政財界は北陸新幹線の全線開業がリニア以降になることに強い懸念を抱いている。

敦賀以西の建設費は概算で2兆1千億円。費用は基本的に、国と地方の負担、運営主体のJRが建設主体の「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」に開業後に払う線路・施設の貸付料でまかなわれる。貸付料の値上げにはJR西日本が難色を示している。機構が将来の貸付料を担保にして資金を借り入れる案や、沿線自治体以外にも負担を求める案なども含め、財源確保に向けた議論はこれからだ。

 関西経済連合会の松本正義会長は「財源がきっちりと付けば、(札幌延伸の)2030年ごろには全線開業ができる」と見込み、北陸と関西の経済界が連携して財源確保などの課題に取り組む考えを打ち出している。

 ■関西孤立のリスク

 とはいえ、全線開業の前倒しに必要となる財源の規模が大きいうえ、政府やJR西日本、沿線の自治体などの利害調整も困難が予想される。「具体的な捻出策を示すには時間がかかる」(関西経済同友会の鈴木博之代表幹事)のが実情だ。

 リニアの東京・品川−名古屋間は27年に開業し、所要時間は40分。46年春の北陸新幹線の全線開業を待つ間に、名古屋経由で北陸と首都圏との結びつきが強まれば、孤立する関西の地域経済は衰退が避けられなくなる。

配信2018.1.18 08:00
産経WEST
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