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国家に対して税金を払わない事、侵略者の手の中にある、国家の財産を占有する事、
国家の命令に従わない事、或いは国家との契約を破る事は少しも不正でも不道徳でもある事は出来ない....
犯罪者との契約を破る事は不正ではない。...
適切な政治哲学の見解からは、道徳的に言って、例えば、国家から"盗む"事は
犯罪者の手の中から財産を取り除く事である、そしてそれは使用されていない
土地を開拓する代わりに、個人が社会の犯罪的部門から財産を取り除くと言う事を
除けばある意味では財産を"開拓"する事である、つまり確実に善い事である。...
それから、国家に対して嘘をつく事も、同様に一層道徳的で正当になる。
誰も強盗が自分の家に何か貴重なものが存在するかどうか尋ねた時に正直に答える事を
道徳的に要求されないのと同じ様に、誰も国家により尋ねられる同様の質問
、例えば、所得税申告書に書く時に正直に答える事を道徳的に要求される事は出来ない。

マレー・ロスバード 、The Ethics of Liberty.
マレー・ロスバードは20世紀のアメリカ合衆国における代表的な自然法哲学者、経済学者、歴史学者である。
彼はリバタリアン運動の中心的な指導者の一人であり、20世紀で最も偉大なリバタリアン理論家、ミスター・リバタリアンとも呼ばれる。

最悪の政府の多くや大部分は最初に強制により、そして少数の人々により確立されるけれども、
多数派により支持されている時に生じると言う事は本当である。
しかしもしそうであるとしてもこの多数派は大部分は最も無知で、迷信を信じる、臆病で、
依存的で、卑屈で、堕落した人々、詐欺によって騙されている人々、誘導により堕落している人々、
権力、知能、富及び傲慢により呑まれている人々、そして政府を真に構成する少数派から構成される。
このような多数派は恐らく地球上の全ての国々の半分、或いは十中八九で発見される事が出来る。

彼らは何を証明するのか?彼らの現在の無知、奴隷状態、劣化、堕落、つまり、彼らを抑圧し、劣化させ、
堕落させている政府を支持すると言う単純な事実で最も良く描かれる様な無知、奴隷状態、劣化、堕落に
人々の大部分を零落させている政府そのものの専制と堕落以外の何も証明しない。

彼らは政府自身が正当であると言う事、或いはそれらはそれらの真の特徴を理解する人々により支持されるか、
或いは耐え忍ばれるべきであると言う事を何も証明しない。
それ故に単に政府が偶然多数派により支持されていると言う事それ自体はこのような政府が
支持されるべきか否かを知る為に証明される事が必要である様な事の何も証明する事はない。

ライサンダー・スプーナー、No Treason. No.1.
ライサンダー・スプーナーはアメリカ合衆国の自然法哲学者、奴隷制廃止論者、及び起業家である。3164897