埼玉労働局は2017年10月末時点の埼玉県内の外国人雇用の届出状況をまとめた。
外国人労働者を雇用している事業所は前年比19.2%増の9103カ所、外国人労働者数は26.2%増の5万5534人で、いずれも07年の届け出義務化以来最多となった。

国籍別ではベトナム、ネパールが急増しており、特に「留学」の在留資格で、アルバイトなどの資格外活動の許可を受けて働くケースが多い。
同局は「政府が外国人留学生の受け入れ拡大の取り組みを進めている影響などで増加している」と分析している。

国籍別では中国が前年比16.4%増の1万3084人で最多。2位のベトナムが51.8%増の1万3001人と大幅に伸びた。
3位はフィリピンの9525人。ネパールは2471人だが、69.0%増となった。

在留資格別では、「永住者」や「定住者」など身分に基づく資格が2万5772人で最多。
「留学」などの資格外活動が1万2247人、「技能実習」が1万543人で続いた。

13年から17年の外国人労働者に占める国籍別の割合の推移をみると、
中国は34%から24%に、日系人が多いブラジルは14%から9%に低下する一方、ベトナムは6%から23%と大幅に上昇している。

産業別の事業所数は、製造業が前年比11.4%増の2396カ所。建設業が1516カ所、卸売業・小売業が1428カ所で続いた。
建設業は39.2%増加し、前年2位だった卸売業・小売業と順位が入れ替わった。

地域別の労働者数は大宮地域が8164人と最も多く、川越・東松山地域8076人、川口地域7151人で、3地域で全体の42.1%を占めている。
浦和地域ではサービス業に雇用される労働者が最も多く、その他の地域では製造業が最も多かった。

雇用対策法に基づき、全ての事業主は外国人労働者の雇い入れや離職の際、氏名や在留資格、在留期間を確認し、ハローワークに届け出ることが義務付けられている。
同局は「外国人労働者が急増しており、事業者に対して雇用の適正管理をこれまで以上に呼びかけていきたい」と話している。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26906990U8A210C1L72000/

埼玉県内の外国人労働者の国籍別割合
https://www.nikkei.com/content/pic/20180214/96958A9F889DE0E4EBE2E4EBEBE2E3E6E2E0E0E2E3EA9EE5E0E2E2E2-DSXMZO2690701014022018L72001-PB1-1.jpg