ゾウの耳のような形のひれを使って泳ぐタコの赤ちゃんの撮影に、米国などの研究チームが成功した。ディズニー映画の空を飛ぶ子ゾウにちなみ、英語で「ダンボ・オクトパス」と呼ばれる深海にすむタコの仲間で、生まれたての幼生が観察されたのは初めてという。19日付の米科学誌カレント・バイオロジーに発表した。

 無人潜水機で大西洋の深さ約2千メートルの海中を調査中、深海性サンゴに産み付けられた大きさ約2センチの茶色い卵を発見。採集して研究室で観察を続けたところ、タコの赤ちゃんが生まれた。すぐに大きな2枚のひれでふわふわと漂うように泳ぎ始めた。深海にすむタコの生態はよくわかっておらず、新種かどうかも不明という。

 研究チームは「ダンボ・オクトパスのような生き物たちは、深海での底引き網漁や資源開発に脅かされる」として保護を呼びかけている。

 タコの卵の採取と幼生の観察は2005年に行われた。研究チームはその後、タコの体の構造などを詳しく分析し、今回論文に発表した。(小堀龍之)


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