【サンパウロ=外山尚之】南米ベネズエラで、2月時点でのインフレ率が年6147%に達していることが明らかになった。野党議員が多数を占める議会が独自に集計し発表した。昨年12月時点で年率2616%としていたが、2018年に入り物品不足に紙幣の欠乏が重なり、インフレ加速が止まらない状況となっている。

 議会が2月末の時点での物価を前年実績と比較して算出した。外貨不足と通貨ボリバルの価値下落で食品や医療品の輸入がままならないことに加え、足元では紙幣不足が発生し、ハイパーインフレに拍車がかかっている。議会は年内に13万1985%までインフレ率が上昇すると推測している。

 ベネズエラの中央銀行はマドゥロ政権の指示により、インフレ率の公表を停止している。議会は野党議員が多数派であるため中立性に欠けるが、民間企業の推計する数字と近い。ベネズエラのシンクタンク、エコアナリティカは1月のインフレ率を月90.6%としている。

2018/3/13 8:57
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28037420T10C18A3000000/