産経新聞 3/26(月) 7:55配信

防衛省は25日、陸上自衛隊に今秋までに納入される垂直離着陸輸送機オスプレイ5機を木更津駐屯地(千葉県木更津市)に暫定配備する方向で調整に入った。
現行計画の配備先である佐賀空港(佐賀市)の施設整備が難航しているためで、近く地元自治体との交渉に入る。ただ、南西諸島から遠い木更津への配備は、有事への対処が遅れる懸念も指摘されている。

政府関係者が明らかにした。防衛省は今後4年間でオスプレイ17機を導入し、佐賀空港に配備する計画を進めている。

今月27日に相浦駐屯地(長崎県佐世保市)で発足する離島奪還作戦の専門部隊「水陸機動団」と連携させ、南西諸島防衛の対処力と抑止力を強化する狙いがある。

ただ、米軍が運用するオスプレイの事故が相次いだことや、今年2月に目達原駐屯地(佐賀県吉野ケ里町)を離陸した陸自のAH64D戦闘ヘリコプターが県内の民家に墜落したことなどで
佐賀配備を不安視する地元の声が高まり、計画通りの配備が難しい状況となっていた。

このため、最初に導入される5機については木更津駐屯地に暫定的に配備する方向となった。同駐屯地には米軍が運用するオスプレイの整備拠点があることなどが決め手となった。
防衛省関係者は「地元に丁寧に説明し、理解を求める必要がある」としている。必要に応じて格納庫の整備なども検討する。

ただ、木更津は佐賀に比べて南西諸島から遠く、島嶼(とうしょ)攻撃など有事の際の対処が遅れる可能性もある。

防衛省幹部は「佐賀と木更津では、部隊展開などに数時間のロスが生じる。一刻を争う事態では致命的な差になりかねない」と語る。

また、佐賀への配備が進まなければ、木更津配備が「固定化」してしまう可能性も残る。

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