【ワシントン=黒瀬悦成】ネラー米海兵隊司令官は29日、ワシントン市内の政策研究機関で講演し、「海兵隊は日米の(安全保障)条約に基づき、日本防衛を目的に日本本土と沖縄に駐留している」と述べた上で、「多くの人たちはこの事実を実感していない」と指摘した。「米海兵隊の日本駐留に感謝する」とした参加者からの質問に謝意を示す形で答えた。

 ネラー氏の発言は、米国内の一部で外国に駐留する米軍の撤収論が根強いことや、沖縄の反基地勢力などによる米海兵隊に対する反感を念頭に置いたものとみられる。

 ネラー氏はまた、南北と米朝の首脳による会談が実現する運びとなったことに関し、「誰も戦争は望んでいない。戦争は失敗を意味する」と強調した。

 その上で、北朝鮮の核・弾道ミサイル問題に関し、「米軍の任務は外交官たちに(交渉が有利に進むための)影響力を付与することで、ボールは今や外交官たちの手中にある」と指摘し、事態の外交的解決への期待を表明した。

2018.3.30 07:10
産経ニュース
http://www.sankei.com/politics/news/180330/plt1803300009-n1.html