今年で109歳の米国製蒸気機関車が23日、故障したボイラーの修理のため、小樽市から札幌市へとトレーラーで運ばれた。この機関車は、小樽市総合博物館で動態展示されている1909年製造のSL「アイアンホース号」(全長10・8メートル)。北中米の果物農場や観光鉄道で活躍した後、96年から同館の敷地内で客車を引いて走り、子どもたちの人気者となっている。しかし昨秋、ボイラーの空だきを防ぐ部品が故障し、運行を中止していた。

 23日は、札幌市の鉄道関連業者への搬送作業が行われた。機関車は、石炭などを積む後部の炭水車を切り離された後、大型クレーンでトレーラーに積まれ、小樽運河沿いなどを通って運ばれた。

 ボイラーは今後、フェリーと陸路で大阪市の専門業者に送って修理。同館は夏休みの子どもが増える7月後半に運行再開を目指す。

ふるさと納税で600万円目標

 小樽市は23日、SLアイアンホース号の修理費用に充てようと、インターネット上で寄付を募るクラウドファンディング(CF)を始めた。「ふるさと納税制度」を活用した試みで、7月21日までの募集期間中に600万円の確保を目指す。

 市は今年度予算に修理費など1400万円を計上したが、財政難のため全額を基金の取り崩しで賄っている。市は基金の食いつぶしを避けるため、全国の鉄道ファンに支援を呼びかけて収入を得ることにした。

 ア号の「復活プロジェクト」と題したCFは、乗車体験やグッズなどの返礼を用意。例えば、ア号の「車掌業務」(2万円以上)、「運転席同乗」(3万円以上)、「製造銘板レプリカ」(6万円以上)などを寄付額の範囲内で組み合わせることができる。

 寄付は「ふるさとチョイス」のウェブサイト(https://www.furusato-tax.jp/gcf/293)から申し込める。問い合わせは小樽市総合博物館へ。

http://yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20180424-OYTNT50084.html
http://www.city.otaru.lg.jp/simin/sisetu/museum/iron_horse/index.data/imageB.jpg
http://yomiuri.co.jp/photo/20180424/20180424-OYTNI50017-1.jpg
特設ページ
http://www.city.otaru.lg.jp/simin/sisetu/museum/iron_horse/