http://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20180517/4060000385.html

05月17日 13時53分
太平洋戦争末期の特攻兵器、人間魚雷「回天」に関係する資料などを展示している周南市の記念館に、搭乗員が語った家族への肉声のメッセージを聞くことができる装置が新たに設置されました。

人間魚雷「回天」は、太平洋戦争の末期に人間が乗り込んで操縦できるように魚雷を改造して敵の艦船に体当たりした特攻兵器で、20歳前後の搭乗員など145人が命を落としました。
訓練基地があった周南市の大津島にある回天記念館では、回天に関係する資料などを展示していて、搭乗員が語った家族への肉声のメッセージを聞くことができる装置が新たに設置されました。

この搭乗員は茨城県出身の塚本太郎少尉で、大津島の基地でおよそ4か月間訓練したあと昭和20年1月に出撃し、西太平洋で21歳で戦死しました。
メッセージでは、「永遠に栄あれ祖国日本」と決意を述べるとともに、「昔は懐かしいなあ。みんなと愉快にいつまでも暮らしたい」などと、家族との思い出や別れを惜しむ気持ちなどがおよそ2分半にわたって語られています。

記念館によりますとこのメッセージは搭乗員の肉声としては唯一残されたものだということで、周南市文化スポーツ課の三崎英和さんは「搭乗員の肉声を聞ける貴重な資料で、来館者の心に直接響くものだと思います。今後もこうした資料を探して展示していきたい」と話していました。