家庭用食用油市場で“かけるオイル”の需要が拡大している。オリーブオイルやアマニ油、ごま油などを、さまざまなメニューにかけて楽しむ、新たな使い方が注目されている。食用油メーカー各社は、開封後の鮮度を保持する密封ボトルのラインアップも強化し“かけるオイル”の提案に力を入れている。

日清オイリオグループによると、ホームユース(家庭用)の“かけるオイル”市場は13年度から年率11%増で成長を続け、17年度には約350億円超に拡大。約1千350億円の家庭用油市場において、構成比20%以上を占めるまでに成長した。

久野貴久日清オイリオ社長は、ホームユースの重点分野として“かけるオイル”の強化を挙げ、「商品展開と提案を強化し、20年度には約400億円市場に引き上げたい」と意気込みを示した。

“かけるオイル”の需要拡大の背景には、植物油の健康イメージが定着し、さまざまなオイルを積極的に取り入れようとする流れがある。オリーブオイルやアマニ油、ココナッツオイルなどが相次ぎブームとなる中で、植物油の持つ健康価値や美容、おいしさが注目され、従来の加熱用途だけでなく、幅広いメニューでオイルをそのままかける(加える)、新たな使い方が広がっている。

家庭用油市場では、最大ボリュームのキャノーラ油が横ばいを続ける一方、オリーブオイルやごま油が拡大傾向にある。約350億円規模の市場に成長したオリーブオイルは、パスタやサラダだけでなく、和食メニューなどの用途が広がり、ごま油は食欲をアップする風味が支持され、“ちょい足し”需要が拡大。オメガ3脂肪酸の働きが注目されたアマニ油も、ジュースやスープなど“かける(加える)オイル”の需要が広がり、市場を牽引している。

こうした中で、大手各社は今後の成長が期待される“かけるオイル”の提案に力を入れる。日清オイリオグループは、新型フレッシュキープボトルに刷新した「鮮度のオイル」シリーズを軸に、“かけるオイル”の需要を喚起。新たに「日清マカダミアナッツオイル」を発売したほか、カゴメ社とのコラボでトマトとオリーブオイルの共同販促を実施。ごま油の無限メニューや、アマニ油など朝食シーンの提案などに力を入れる。

J―オイルミルズは「AJINOMOTOオリーブオイル エクストラバージン」で150g容量の鮮度キープボトルを発売。そうめんや冷しゃぶなど、夏場の定番メニューでオリーブオイルやごま油の提案を強化する。かどや製油はPET容器や濃口タイプなどのラインアップを拡充し、家庭用ごま油の使用シーン拡大を進める。

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