◆樺太アイヌ 遺族会設立 「遺骨は末裔が慰霊・供養」/北海道

旧樺太(サハリン)に暮らしていた樺太アイヌ(エンチウ)の子孫らが3日、大学や研究機関などに、研究材料として保管されているアイヌ遺骨の返還を目的とする「エンチウ遺族会」を設立した。
遺族会は、政府による遺骨の集約に反対し、樺太アイヌの遺骨はその子孫が引き取るべきだとして、団体として遺骨返還を求めていく。

返還された場合は適切に慰霊、供養し、旧樺太で再埋葬することも含め検討する。
当面は樺太アイヌ(エンチウ)協会の会員ら20人が中心となって活動し、会長には同協会の田沢守会長が就いた。

政府は今年5月、北海道大など全国の大学が保管するアイヌ遺骨について、これまで遺族のみとしていた返還の対象を、出土した地域に縁のあるアイヌ団体にも広げる方針を決めた。
一方、身元不明や引き取り手がない遺骨は、2019年秋にも白老町に完成予定の慰霊施設に集約するとしている。

田沢会長は「国の政策では樺太アイヌについては触れられてもいない。
エンチウ(樺太アイヌ)の遺骨はエンチウの末裔(まつえい)が引き取って慰霊・供養すべきで、当事者として意思を表明し行動しないといけない」と話した。

毎日新聞 2018年6月4日
https://mainichi.jp/articles/20180604/ddl/k01/040/123000c