6月に入ってアユ漁が全国の多くの河川で解禁になり、4日朝、築地市場に今年の初荷が入った。「香魚」とも呼ばれるアユ。ふたを開けると、スイカのようなすがすがしい香りがふわりと漂う。仲卸「共穂(きょうすい)」の清水常弘さん(56)は「養殖では出せないこの香りが天然の魅力」と話す

 清水さんがこの日、仕入れたのは、広島県の太田川産。1キロ分の天然アユ17匹が専用のケースに入れられている。1年を通じて入荷する養殖アユの卸値は1匹百数十円。一方、川をさかのぼってきた天然アユの初モノの値段は、養殖モノの10〜20倍もするという。清水さんは「今年初めての天然アユだからね。仲卸なら、多少損しても仕入れたいんだよ」。

 いまは「高嶺(たかね)の花」だが、夏本番になると値は、ぐっとこなれるそうだ。



朝日新聞DEGITAL 2018年6月4日15時47分
https://www.asahi.com/articles/ASL5045L2L50UTIL01M.html