【メキシコシティ=丸山修一】メキシコ政府は5日、鉄鋼とアルミニウムを対象とする米国の輸入制限に対する報復措置として、追加関税を課す米国産品のリストを公表した。鉄鋼製品だけでなく豚肉やフルーツ、バーボンなど幅広い農畜産品なども含まれる。

 具体的に適用する税率は各種鉄鋼製品が最大25%、農畜産品に関しては豚肉、ジャガイモ、リンゴ、ブルーベリーは20%、バーボンやチーズは20〜25%となる。一方で豚肉は国内需要を満たすために12月末までの期限つきで米国産以外で35万トンの関税なしの輸入枠を設ける。豚肉に関して経済省は主に欧州からの輸入を想定しているようだ。

 メキシコは米国の鉄鋼・アルミに対する輸入制限は国際的な貿易ルールに違反しているとして世界貿易機関(WTO)に提訴する手続きを始めると発表している。同じくWTOへの提訴を発表しているカナダや欧州連合(EU)とも連携して米国に輸入制限の中止を求めたい考え。



日本経済新聞 2018/6/6 4:50
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31422290W8A600C1000000/