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宮城
<東北農政局不正入札>現職7人、OBに情報 公取委 改善申し入れ

2018年06月15日 金曜日

 東北農政局(仙台市)が発注した東日本大震災後の農地復旧工事の入札で、公正取引委員会は14日、農政局職員7人が2012〜16年度、ゼネコンに天下りした農政局OBの働き掛けを受け、不正に入札関連情報を漏らすなど便宜を図っていたことを明らかにした。同日、農林水産省に改善を申し入れた。
 併せて公取委は、OBを通じて不正に情報を入手したとして、準大手フジタ(東京)の独禁法違反(取引妨害)を認定し、再発防止を求める排除措置命令を出した。

 斎藤健農相は記者会見し「極めて遺憾」と陳謝。再発防止策と関係職員の処分を速やかに実施する方針を示した。
 公取委によると、職員7人のうち、農政局土地改良技術事務所で技術評価を担当していた1人は、フジタ東北支店に再就職したOBの働き掛けに応じ、同社の技術提案書を事前に添削。他の入札参加申請業者の技術評価点や順位なども漏らした。
 残る6人は別のゼネコン2社に在籍するOBらの働き掛けを受け、入札公告日の予定、他社が過去に落札した工事の技術提案書の評価などを漏えいした。

 公取委は農政局OBの天下りをゼネコンなど10社で確認。OBらが入札参加意向などの情報を交換し、談合につながる可能性があったとして10社を注意した。
 フジタの取引妨害が認定されたのは、農政局が15年度に発注した仙台市若林区、宮城野区の農地区画整理事業5件。同社は全5件でトップの技術評価点を獲得。うち2件を計18億7920万円で受注した。5件とも入札価格と工法技術を総合的に評価して落札業者を決める方式を採っていた。