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名古屋市の老舗百貨店「丸栄」が30日、前身の呉服店から403年の歴史に幕を下ろした。最終営業日には、近年最多の買い物客が押し寄せ、慣れ親しんだ地元百貨店との別れを惜しんだ。

 前身の「十一屋呉服店」は1615年創業。1943年に「丸栄」となり、一時は西日本最大の売り場面積を誇った。しかし、バブル崩壊後は売り上げが低迷。2010年に医薬品会社、興和(名古屋市)の傘下となり再建を図ったが、インターネット通販の伸長などもあり、業績回復には至らなかった。閉店後は興和が27年をめどに新たな商業施設の開業を目指す。
 午後7時すぎの閉店セレモニーでは、浜島吉充社長が「丸栄は閉店するが、この地区が活性化するための発展的な店舗営業の終了だ。ありがとうございました」とあいさつした。

 週1回ほど訪れていたという名古屋市の男性(80)は「庶民的な売り場で、名古屋に根付いた百貨店だったのに残念」と惜しんだ。

最終日を迎えた百貨店「丸栄」の店内=30日、名古屋市中区
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