メキシコ大統領選の投票を終え、記者らに向けて語るロペスオブラドール氏=1日、メキシコ市(ロイター)1/1枚
 【ロサンゼルス=住井亨介】中米メキシコでペニャニエト大統領の任期満了に伴って投票が行われた大統領選挙の開票が1日夕(日本時間2日午前)、始まった。

 地元メディアが報じる出口調査では新興左派政党「国家再生運動(MORENA)」のロペス・オブラドール元メキシコ市長(64)が優勢で、選挙管理当局の発表でも開票率5%の段階でオブラドール氏が得票率約53%でリード。同氏は1日夜、「今日はメキシコにとって歴史的な日だ」と、勝利宣言をした。追う主要2候補もいずれも敗北を宣言し、政権交代は確実になった。

 選挙には4人が立候補。オブラドール氏を中道右派の野党「国民行動党(PAN)」のリカルド・アナヤ前党首(39)、中道右派の与党「制度的革命党(PRI)」のホセ・アントニオ・ミード前財務公債相(49)が追う展開となっていた。

 オブラドール氏は、移民問題や北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉などでメキシコに難題を突きつけるトランプ米政権に強硬姿勢を示しており、今後、対米関係の悪化が懸念される。

 一方、今回の大統領選に合わせて行われた連邦上下両院や地方レベルの選挙では、120人以上の候補者らが殺害された。犯罪組織同士の縄張り抗争、候補者間の争いなど、原因をめぐってさまざまな見方がされるが、事件の真相が明らかになることは少ない。

 政府と麻薬カルテルとの間で続く「麻薬戦争」が激化する中で、犯罪組織と一部政治家とのつながりも指摘されており、治安悪化に歯止めがかかっていない。

https://www.sankei.com/smp/world/news/180702/wor1807020020-s1.html