政府は、2019年10月の消費税率10%への引き上げの際、「消費税還元セール」の解禁を検討している。
前回増税時に一斉に値上げが行われた結果、駆け込み需要が出た後の反動で消費が長期間冷え込んだため、セール解禁で消費の変動を和らげたい考えだ。
ただ、増税後の値下げが中小企業へのしわ寄せにつながることを警戒する声もあり、懸念払拭(ふっしょく)などが課題となる。

「税率引き上げの前後において、需要に応じて事業者それぞれの判断によって価格の設定が自由に行われることで、駆け込み需要・反動減が抑制されるよう、方策を具体的に検討する」。
政府は6月15日に閣議決定した「骨太の方針」で、消費税増税時の景気変動対策として消費税還元セールの解禁検討を盛り込んだ。

14年4月の消費税率8%への引き上げ時、国内総生産(GDP)の個人消費は大きく変動した。
1〜3月期は駆け込み需要で前期比2%増となった一方、4〜6月期は反動で4・7%減と落ち込んだ。
政府はこの時、消費税転嫁対策特別措置法で「消費税率分値引き」や「消費税は当店が負担」など増税分の値引きなどをうたうことを禁じた。
増税直後のセール自体は禁止しなかったものの、萎縮した小売業者がセール自体を自粛して増税日に税込み価格を一斉に引き上げた。これが大きな景気変動の要因だったと政府はみている。

日本の消費税にあたる付加価値税を導入している欧州では、小売業者が需要が高まる増税前に値上げしたり、需要が減少する増税後に値下げしたりしている。
政府は、これらの例を参考に規制を緩めることを検討。「柔軟に価格設定できれば景気変動を防ぐことにつながる」(アナリスト)と効果を期待する声も出ている。

ただ、そもそも還元セールが禁じられたのは、1997年の税率5%への引き上げ時、セールの値下げ分を商品の納入業者が負担するなど中小企業にしわ寄せが生じ、問題となったためだ。
日本商工会議所の調査では、当時、中小企業の約5割が増税分を転嫁できなかった。
日商の三村明夫会頭は「(大手は)納入業者に対して(セールで値下げした増税分の)2%減をおそらく要求してくる。
消費税増税分を転嫁できないことにつながる」と反対を表明している。政府は還元セール解禁を含む増税関連の経済対策を年末までにまとめる方針だが、慎重な制度設計が求められそうだ。【岡大介】

2018年7月2日 20時47分(最終更新 7月3日 00時16分)
毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20180703/k00/00m/020/103000c

★1が立った時刻
2018/07/03(火) 12:13:39.44

前スレ
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1530608967/