https://www.bbc.com/japanese/44708203
(リンク先に動画ニュースあり)
2018/07/04

タイ洞窟で行方不明の少年ら 公開動画で元気な姿
2時間前

タイ北部の洞窟で行方不明になっていた少年12人とサッカー監督について、タイ王国海軍特殊部隊(SEAL)は4日、新たな動画を公開した。動画では少年らが、自分たちの健康状態は良好だと語っている。

少年たちは笑顔を見せ、時には笑い声を上げながら、1人ずつ自己紹介した。
少年と監督は、洞窟の深部にいたところ、水位の上昇で抜け出せなくなり、9日間にわたり行方不明となっていたが、2日に発見された。少年らはその後、食料の供給を受けたほか、治療も受けている。

しかし少年たちは、潜水のやり方を学ぶか水位が下がるのを待たねばならず、救出作業には数カ月かかる可能性もある。
雨季がまだ始まったばかりで、少年たちがいるタムルアン洞窟の水位が上昇し続けるのはほぼ間違いないことが懸念となっている。
タイSEALは4日朝、同部隊の公式フェイスブックページに動画を投稿した。動画では、体を温かく保つため、アルミホイル製の毛布のようなものに包まった少年たちが確認できる。

ダイバーの隣に座り、懐中電灯に照らされた少年たちは、1人ずつ名前を述べ、両手の手のひらを合わせる「ワイ」と呼ばれる伝統的なあいさつのポーズを示した。
その他2つの動画には、軽いかすり傷を負った少年たちが軍の医師に治療を受ける様子が映っている。少年たちは動画で、いつ追加の食料が届くかも繰り返し尋ねている。
洞窟の岩肌にサッカーチームと救助活動に参加する海軍部隊の名前が書かれているのが分かる。

「救出にはよい状況」

医師や看護師を含む何人かのダイバーが、3日から洞窟に入り少年たちに付き添っている。
救出隊は少年たち全員を安全に救い出す最良の方法を検討している。当局者は、危険は冒さないとしている。
当局者は4日朝に開かれた記者会見で、実際に救助へ赴く計画は同日にはないとしたものの、救助への予行演習には完璧な状況だと述べた。

水位を下げるため、洞窟地帯からのポンプによる注水は続いている。当局者は、少年たちがいる空洞は浸水しないように出来ると確信していると述べた。
救急隊は、少年たちが家族と話せるよう電話線を引くことも試みている。ただ、3日の挑戦は失敗に終わった。
洞窟の外では、少年たちが近く救出される場合に備えて、医療関係者による治療の予行演習が行われている。
BBCミャンマー特派員のニック・ビーク記者はツイッターに、立ち並ぶ軍人の動画とともに、「少年たちが閉じ込められている洞窟を軍隊が取り囲み、救助が行われた場合に医療関係者がどう動けばいいかの予行訓練ができるようにしている」と投稿した。

中略

洞窟脱出の方法は

タムルアン洞窟地帯は雨季の間、よく浸水する。雨季は9月か10月まで続く。
さらに豪雨があれば水位上昇の可能性があり、少年たちが避難している空気溜まりにも危険が及ぶかもしれない。
専門家は、泥で重くなり視界もない危険な水路を経験のないダイバーが進むことの危険性を警告している。また、取り残された少年たちの中は全員泳げないという。
他の救出部隊は、洞窟に入ることができ、出口にもなる他の経路の発見を目指して、山肌を捜索している。

(英語記事 Thailand cave: New video shows boys in good health)

洞窟断面図
https://ichef.bbci.co.uk/news/410/cpsprodpb/62DB/production/_102370352_thai_cave_rescue_v2_inf640_japanese-nc.png