https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180709/k10011524191000.html

深刻な通勤ラッシュを緩和しようと、東京都が朝の出勤時間をずらすことを呼びかける
「時差Biz」と名付けられたキャンペーンが9日から始まりました。

このキャンペーンは、東京都が企業や自治体などと連携して去年から始めたもので、
9日から始まったことしのキャンペーンには、去年の2倍以上となるおよそ740社が参加しています。

キャンペーンでは、都営地下鉄や東京メトロ、それに東急電鉄が平日の朝の時間帯に期間限定で
臨時列車を運行するほか、参加企業が社員に出勤時間をずらすことを推奨する取り組みなどが行われます。

9日は、東京都の小池知事が東京・中央区の京橋駅を訪れ、キャンペーンの参加企業が早めに
出勤をする人に飲み物を無料で配る様子を視察しました。

都は今回のキャンペーンを継続的に行うことを通じて、再来年の東京オリンピック・パラリンピックで
大会期間中の鉄道の混雑緩和にもつなげたいと考えています。

視察後、小池知事は「あの手この手を、ハードもソフトも両面で続けていくことが快適通勤につながる。
東京オリンピック・パラリンピックに向けて、大会のスムーズな運営ができるように、いろいろな実験をしていきたい」
と話していました。

今年度の時差Bizは、来月10日までおよそ1か月間行われるほか、冬の時期にも実施される予定です。


利用者は?

9日から始まった「時差Biz」に合わせて、都営地下鉄は、大江戸線で平日の朝の時間帯に臨時列車の運行を始めました。

「時差Bizトレイン」とと名付けられたこの臨時列車は、都営大江戸線の光が丘駅を午前6時38分に出発し、
清澄白河駅に午前7時35分に到着する列車で、今月20日までの平日に運行されます。

9日朝は、午前7時すぎに臨時列車が新宿駅に到着すると、会社員や学生などが比較的混雑していない
列車を乗り降りする姿が見られました。

新宿駅から乗車した50代の会社員の男性は、「満員電車は疲れてしまうので少し早く出勤しています。

取り組みが広がって多くの人がストレスなく出勤できればよいと思います」と話していました。

20代の会社員の男性は、「勤務する会社に早く出勤して早く帰るという制度があるので、自分の部署でも
早朝に出勤する人が増えています。この取り組みが1年中続くようになればよいと思います」と話していました。

50代の会社員の女性は、「家を早く出ることによって、すいたオフィスで集中して仕事ができています。
働き方改革もあるので通勤時間を工夫することで仕事の効率が上がり、生まれた時間を別のことに使えればよいと思います」
と話していました。