2018年7月20日 13時41分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180720/k10011541341000.html
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180720/K10011541341_1807201347_1807201350_01_02.jpg

アメリカのFBI=連邦捜査局のレイ長官は、中国がアメリカ国内でさまざまな産業を狙って技術や情報を盗み出しているとして、全米のすべての州で中国が関わった産業スパイ事件の捜査が行われていると明らかにしました。

FBIのレイ長官は18日、西部コロラド州で講演し「アメリカ国内で外国のスパイ活動を防ぐ観点から言えば、中国が最も幅広く活動し最大の脅威だ」と述べました。そのうえで「中国が関わった産業スパイ事件の捜査が全米50州すべての州で行われている」と明らかにしました。

そして、中国はトウモロコシの種から風力タービンまでさまざまな産業を狙って技術や情報を盗み出しているほか、その手口も、人を介したものからサイバー攻撃までさまざまだと説明しました。

一方、アメリカ議会では下院の情報委員会で19日、中国による産業スパイや知的財産権の侵害について専門家を招いて公聴会が開かれました。

この中で、アメリカ国防総省の依頼を受けて中国による産業スパイの実態を調査してきた情報セキュリティー会社の元責任者は、中国が資金力を武器にアメリカの大学や研究機関に近づき、最新の技術を盗み出した事例などを紹介しました。

そのうえで、中国の産業スパイを防ぐためには、FBIによる捜査を拡大し法的整備や制裁強化などの対策も急ぐべきだと訴えました。