【ニューヨーク=高橋里奈】国連のグテレス事務総長が職員に「加盟国が分担金の支払いを遅らせているため、現金がすぐに底をつきそうだ」と財政難を訴える書簡を送っていたことが26日分かった。書簡は25日付で「かつて経験したことがない現金の不足状況」とし、経費節減などリストラの必要性を訴えている。

 26日時点で加盟国193カ国のうち、最大の資金拠出国である米国を含む81カ国が分担金を払っていない。米国以外ではスーダンやアンゴラ、ケニアといったアフリカ諸国や、イランやシリアなど中東諸国、北朝鮮などが未払いとなっている。

 グテレス氏は加盟国に期限通りに満額を支払うよう求めたとしているが、加盟国からの支払いは低調。「赤字状況がこれまで以上に長く続いている」として危機を訴えた。

 国連は26日に「各国の予算時期が違うのはわかるが、過去数年と違ってキャッシュフローがかつてなく悪い」として、加盟国に早く支払うよう求めた。

2018/7/27 6:09
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33475830X20C18A7000000/