7/28(土) 11:37配信
デーリー東北新聞社

 米軍三沢基地に、空軍用輸送機CV22オスプレイの飛来が続いている。米軍横田基地(東京都福生市など)を飛び立った機体だが、目的は不明だ。国内外で事故やトラブルを起こし、各地で“厄介もの”扱いされているオスプレイに、住民は「三沢に来る理由は何なのか。説明がほしい」と訴える。

 CV22が三沢に初飛来したのは今月17日午後。2機が三沢に降り立ち、約1時間半後に離陸した。2度目は24日。この日も2機が着陸し、約1時間半で飛び立った。飛来目的について、米軍三沢基地は取材に「他基地所属機であり、運用内容に関わることなので答えられない」とコメントした。

 三沢市基地渉外課によると、東北防衛局からの正式な連絡は、2度とも横田基地をたった後で、「安全飛行を呼び掛けるなどの対応を取れるようなタイミングの通知ではなかった」と説明する。

 CV22の横田基地配備は当初2019年10月〜20年9月だったが、今夏に前倒しされた。米軍が15年に示した環境レビューには、横田基地配備後の訓練区域に三沢対地射爆撃場(三沢市、六ケ所村)も含まれている。既に配備による運用が始まり、その一環で三沢に降り立っている―との見方もあり、今後も飛来する可能性が高い。

 同課は「日米合同訓練など特殊な訓練が行われる際には、米軍などに安全飛行などを要請する」としつつ、通常運用による飛来には「どういう対応を取るかは検討課題」とする。

 オスプレイは、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属のMV22が16年12月に同県名護市沖に不時着、大破したほか、緊急着陸するなどのトラブルが相次ぎ発生。横田配備で首都圏住民の不安が高まっている。

 三沢市民は比較的冷静に飛来を受け止める。基地近くに住む女性(64)は「新しい機体が来るのは時代の流れ。特に嫌とは思わない」と淡々と語る。三沢基地周辺町内連合会の黒田進二会長(82)も拒否反応はない―としながら、「パイロットの完熟訓練なのか。三沢に来た目的がはっきりしない。隠されると逆に市民は不安になる」と指摘。

 市内で働く男性会社員(51)は「来たことを次の日に報道で知る。事故を起こすとは思わないが、できるなら事前に知らせてほしい」と話した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180728-00010004-dtohoku-l02