産経新聞 2018.8.4 13:12
https://www.sankei.com/west/news/180804/wst1808040050-n1.html

 西日本豪雨の被災地では、阪神大震災を機に本格化した宗教者による支援も展開されている。甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町では、仏教教団のボランティアが週2回ペースで活動。災害時の宗教の役割に詳しい大阪大学大学院の稲場圭信(けいしん)教授(共生学)は「宗教者は災害時の大きな力になっている」と話す。

 宗教界では阪神大震災以降、組織のつながりを生かした救援活動が本格化。平成23年の東日本大震災後では「宗教者災害支援連絡会」も結成された。稲場教授は「宗教者は心のケアだけでなく、がれき撤去を含めた『丸ごとのケア』をすることで、初めて被災者に寄り添った『伴走者』になれる」と指摘する。

 3日、稲場教授は週に2回のペースで若い信徒らをボランティアに派遣している仏教教団の救援ボランティアチーム「SeRV(サーブ)」と連携。稲場教授の研究室の学生らも加わり、真備町の被災住宅で片付け作業に汗を流した。

 参加したエジプト人留学生、アブドルラヒームさん(27)は「イスラム教には困っている人は助けるべきだという教えがある。日本社会のためにできることをしたい」と話した。(西山瑞穂)