明治維新から150年の節目に合わせ、現代の漫画の元祖ともいわれる「明治ポンチ本」をテーマにした展示会が東大阪市の国際児童文学館で開かれている。江戸と西洋の文化が組み合わさりながら発展し、対象が大人から子どもへと移っていく様子を約70点の資料で紹介している。入館無料。10月31日まで。

 府立中央図書館・国際児童文学館が、蔵書を生かした調査研究を活性化する一環で、明治ポンチ本研究会の監修の下で実施した。

 会場では、西洋から「ポンチ」という滑稽風刺画が日本に伝わり、掛け言葉といった江戸期の遊びの要素と、明治政府への風刺で人気を博した雑誌などを紹介。その後、新聞紙条例改正などで政治風刺が衰退した面があった一方、政府の教育政策を受け、児童向けの素材として流通していく歴史を示している。

 その中で、こま割りや吹き出しといった今の漫画につながる表現方法が顕在化。出版業界と玩具業界がつながりを深め、児童向けという位置付けが強調されて、後の漫画本につながっていく点を伝えている。

 国際児童文学館の担当者は「伝統的な文化に新たな表現を加えながら歩んできた歴史を感じてもらえれば」と来場を呼び掛けている。




大阪日日新聞 2018年8月22日
http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/180822/20180822033.html