1日、約4万人が利用する名鉄東岡崎駅。ここに格安の物件があります。
それは改札から歩いてわずか30秒の好立地の場所、岡ビル百貨店。

「駅から歩いて2階部分へいきますと、この広い場所が貸し出しの場所。いくらですか?」(加藤裕之 記者)
「坪2000円から借りられるんです」(岡崎ビジネスサポートセンター 松田広宣さん)

1坪のスペース分がひと月2000円。相場の5分の1ともされる「格安物件」です。
同じフロアには、喫茶店など飲食店のほか、時計店がありますが半分以上が空きスペースとなっています。

「(当時は)超満員の客の入りでした」(岡ビル百貨店 宇津野友二 理事長)

60年前に建てられたこの岡ビル百貨店。
時代の流れとともにお客さんが減少、店の撤退も相次ぎました。

10坪なら、ひと月2万円ほどで出店できるというこの物件。
起業など何かを始めたい人に、この手軽さがとても魅力的です。

「これから起業する人、起業をしているが新規事業で何かをやりたい人が、(起業は)最初から大きなリスクを背負い始めるよりも、小さく始めて少しずつ大きくしてもらえたらいい」(岡崎ビジネスサポートセンター 松田広宣さん)

起業したい人の第一歩を後押しするかもしれないこの格安物件。
安いのには“あるワケ”があるといいます。

「時期こそ決まっていないが、建て替えが予定されている」(岡崎ビジネスサポートセンター 松田広宣さん)

駅周辺は再開発のまっただ中、この岡ビル百貨店もいずれ取り壊し再建されることが決まっています。
しかし、それがいつなのか現状では未定のため、安いのだといいます。

■新しい起業のスタイル 柳ヶ瀬商店街「やながせ倉庫」

一方、岐阜市の柳ケ瀬商店街にも「ワケあり物件」が。
商店街にある「やながせ倉庫」に向かいました。

Q.とても安くスペースがお借りできるそうですが、おいくらですか?

「1500円のお部屋があります」(やながせ倉庫団地 管理人 臼井南風さん)

Q.お部屋ってどういうことですか?

「ロッカーひとつ分が、1500円のお部屋です」(やながせ倉庫団地 管理人 臼井南風さん)

1か月1500円で借りられるのは、ロッカーひとつ分のスペース、借りるスペースの高さや広さによって1500円〜7500円まで幅があります。
中心は女性向けの手作りアクセサリーだそうですが、中には植木鉢専門のスペースや、知恵の輪作家のスペースなど、個性あふれる商品が並びます。

3年前から始まったこの取り組み。
197あるスペースはほぼ埋まり、地元だけでなく東京や大阪など全国の作り手が参加し、何とはるばる台湾からも参加があるといいます。

かつては賑やかだった柳ケ瀬商店街もお客さんが減少。
この「やながせ倉庫団地」も空き店舗だったスペースを利用したものです。

「手にとって商品を見てもらいたいが、お店を構えるのは難しいという人たちに、もっと簡単に始めやすく、販売できる場所があったらいいと思った」(やながせ倉庫団地 管理人 臼井南風さん)

これがきっかけとなり、実際に柳ケ瀬商店街に出店してもらえればという期待もあります。
取材した日、自作のアクセサリーを納めに来た星野さん。
ネットを使った販売も経験していますが、その違いを伺いました。

「納品に来て待っている間でも、かわいいと言ってもらったり、ボックスの前に立ち止まって、手に取って感想が聞けるのがいい。(将来は)雑貨屋さんをできたらいい。勉強中です」(アクセサリーデザイナー 星野優貴さん)

小さなスペースから始める起業のスタイル、今後も増えていくのでしょうか。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180911-00010008-sp_ctv-l21