高齢者宅を訪問して貴金属などを強引に買い取る「押し買い」を繰り返していたとみられる会社グループが大阪国税局の税務調査を受け、平成29年までの5年間に計約11億円の所得隠しを指摘されたことが13日、関係者への取材で分かった。押し買いで得た所得の一部を免れたとみられ、追徴税額は、重加算税を含め計約6億円の見通し。

 関係者によると、所得隠しを指摘されたのは、「シーエスアート」(大阪市)など数社による会社グループ。いずれも同じ人物が実質経営者で、貴金属やブランド品の買い取り・販売などを手掛けているという。

 国税局は、従業員らへの聞き取りなどから、会社グループが押し買い行為を行っている事実を確認したもようで、架空仕入れを計上するなどの手口で、悪質な仮装・隠蔽があったと判断したとみられる。

 信用調査会社によると、シーエスアートの売り上げは、26年9月期が約1億4千万円だったが、27年9月期は約5億1千万円に増えていた。

 悪質商法の押し買いは高齢者を中心とした被害が問題となり、25年から規制され、クーリングオフ制度が導入された。国民生活センターによると、押し買いに関する相談件数は、25年度が7160件だったが、増加傾向が続き、28年度は8656件。60歳以上からの相談が6割を超えている。

2018.9.13 20:33
産経WEST
https://www.sankei.com/west/news/180913/wst1809130076-n1.html