社員の「やる気」を指標化し、投資家などに公表しようという取り組みを東京の経営コンサルティング会社が始めました。

これは、取り組みを始めた東京 銀座にあるコンサルティング会社が18日発表しました。

それによりますと「やる気」の指標化は、社員に会社の組織風土や制度、職場環境などおよそ130の質問をし、「満足度」と「期待度」を5段階で評価してもらい、結果を偏差値として算出します。

「満足度」だけでなく「期待度」も尋ねることで、社員が会社や上司などに求めていることや、社員がやる気を落としている要因などを分析できるということです。

コンサルティング会社は、この「やる気」の偏差値を格付けすることで、売り上げや利益などからはわからない会社の状態を表す指標として投資家などに活用してもらえるとしています。

開発した「リンクアンドモチベーション」の小笹芳央会長は「社員のやる気は経営陣も投資家にとっても重要な要素だが、決算書などでは見ることができない。多くの企業にニーズがあると思う」と話しています。

この会社はコンサルティング先などおよそ2000社の社員の「やる気」の偏差値を算出しているということで、2025年までに300社に公表してもらうことを目指して各社に働きかけを行っていくということです。

活用する会社「社員の意識の高さ 知ってもらえる」
社員の「やる気」格付けの公表を決めた東京 渋谷にあるIT企業「クラウドワークス」の吉田浩一郎社長は「財務指標上は利益が出ていなくても、社員の意識はとても高いということを投資家の方に知ってもらえると思い、指標の開示を決めた。採用活動にもつながると思う」と話していました。

この会社は去年3月に初めて調査を受けた時、偏差値は47.1で格付けは11段階の下から5番目の「CCC」でした。

当時は社員の数が一気に増えていて、調査によって社内のコミュニケーションに問題が起きていることがわかったということです。

そこで社長が全社員に話をする朝礼を月に一度から週に一度に増やし、上司と部下が仕事以外の話を気軽に話し合う面談も週に一回程度設けることにした結果、ことし6月の調査では偏差値が68.2、格付けもいちばん上の「AAA」に改善したということです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180918/k10011634681000.html