【ハノイ時事】ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席が21日、ハノイ市内の軍の病院で、病気のため死去した。

 61歳だった。同主席をめぐっては昨年から健康不安説が流れており、同国の強固な集団指導体制の中、政治的影響は小さいとみられる。

 北部ニンビン省出身。2011年1月にベトナム共産党の最高幹部である政治局員となり、同年8月、公安相に就任。16年4月、憲法上の元首で、最高指導者グエン・フー・チョン共産党書記長に次ぐ権力序列2位である国家主席に就任した。

 今年5月に国賓として日本を訪問、安倍晋三首相との会談で日越友好関係のさらなる深化を確認した。天皇、皇后両陛下在任中では最後とみられる宮中晩さん会にも出席した。日ベトナム特別大使を務め長年、ベトナムへの支援活動を行っている俳優の杉良太郎さんらとも親しかった。

 昨年夏に約1カ月間、動静が途絶え、健康不安説が浮上。同年11月に中部ダナンで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議では議長を務めたものの、任期途中で国家主席を退くとのうわさが一部で根強く流れていた。 

9/21(金) 15:07
時事通信
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