徳島県内、自生ケシ増加 アヘンの原料 県1・2万本処分
2018年9月28日 午前11時00分

アヘンの原料になるとして栽培が禁止され、徳島県内では自生数が減っているとみられていた
ケシの発見が再び増えている。県は今年、8月末時点で前年を大きく上回る1万本以上を処分した。
花がきれいなため、知らずに苗を売っていたケースもあり、県は来年の開花時期にパトロールを強化する。
 
県薬務課によると栽培が禁止されているのはケシとアツミゲシ。
4〜6月に赤や紫などの花を咲かせる。許可されているヒナゲシと異なり茎に毛が生えておらず、
葉が茎を包み込むように巻いているのが特徴。
20年ほど前から違法と気付かないまま園芸用として広まり、
河川敷や山間地などで自生するようになったとみられる。

県は住民からの通報などで発見次第、職員が抜き取って焼却している。
ピークの2010年は168カ所で6万5616本を処分。
チラシを配るなどして周知した結果、減少傾向となり、17年は44カ所で3807本まで減っていた。
ところが今年は、65カ所でケシとアツミゲシ計1万1926本を処分し、前年から急増した。

県立博物館の小川誠上席学芸員によると、ケシの種子は発芽率が高い上、
抜き取った後に焼却しないで捨てると、その場所で根付いて成長する。
「一度自生した場所は何年かしてまた出てくることがあり、継続した監視が必要」と指摘する。

庭に植えていた住民の中には、県の聞き取りに「産直市で購入した」と答えた人もいた。
16年には愛媛県大洲市の産直市でケシの苗が販売されていた。
県薬務課は「販売はもちろん、所持すること自体が禁止されている。
見つけたら自分で処分せず、必ず通報してほしい」としている。

徳島新聞
http://www.topics.or.jp/articles/-/105551
栽培が禁止されているケシ(県提供)
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