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人口1万6000人余りが暮らす瀬戸内海の島、山口県の周防大島町と本州を結ぶ橋に設置されていた送水管がおよそ250メートルにわたって海に脱落し、この影響で町内のほぼ全域が断水しています。海上保安本部は、22日未明に橋の下を通過した貨物船が橋に衝突したのが原因とみて詳しく調べています。

周防大島町などによりますと、22日午前0時半ごろ、本州側の柳井市と町を結ぶ大島大橋に設置されている送水管から水が漏れているのがみつかり22日朝、現場で調べたところ、送水管がおよそ250メートルにわたって海に脱落していました。

このため、周防大島町内ではほぼ全域の9046世帯で断水し1万5000人近くに影響が出ていて、町では災害対策本部を設置するとともに町内の16か所に給水車を出しました。

また町によりますと、送水管とともに光ファイバーのケーブルも断線したためインターネット回線も使えなくなっているということです。

第六管区海上保安本部によりますと橋には何かが衝突したような跡があり、22日未明に橋の下を通過したマルタ船籍の貨物船「ERNA OLDENDORFF(エルナ・オルデンドルフ)」のマストやクレーンの一部が損傷しているのが見つかったということです。

海上保安本部は、この貨物船が橋に衝突したのが原因とみて業務上過失往来危険の疑いで当時の状況を詳しく調べています。

■住民「2回目の断水なので困る」

周防大島町では断水に伴って順次、給水を始めています。町内にある防災センターにある給水車には午前中から地元の人が水を求めて訪れていました。

訪れた男性は「朝早くに断水するという連絡があったので給水に来ました。ことしに入って2回目の断水なので困ります」と話していました。

■瀬戸内海で3番目に大きな島

周防大島町は山口県の南東部にあり、瀬戸内海では淡路島・小豆島に次いで3番目に大きな島です。

町によりますと人口は1万6000人余りで、本州側の柳井市とは送水管が設置されている大島大橋で結ばれていて、ほかに橋はありません。

■ことし1月にも断水

周防大島町では、ことし1月11日にも同じ橋に設置された本州側の柳井市とをつなぐ送水管が壊れているのが見つかり、人口およそ1万6700人の町のほぼ全域で断水しました。

町では給水車で対応する事態となり、送水管が取り替えられ断水が解消するまでに10日かかりました。

2018年10月22日 12時09分
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